学校詳細
建学の精神、教育理念
よりよい未来を作る真のリーダーの育成
自由学園の建学の精神はキリスト教精神による「真の自由人をつくる」。これを基に、自ら主体的に学び、考える力、仲間と協力して物事に取り組み、課題を解決していく力を身につけ、生きる指針となる価値観を育てる独自の人間教育「共生共創」を行っている。
自由学園男子部の教育理念は、Thought Technique Faith(思想・技術・信仰)。「愛」にあふれ、「自由」に生き、「平和」を実現する人間を育む人間教育を実施。人生を自ら輝かせ、よりよい未来を作る真のリーダーの育成を目標としている。
教育の特色
2022年度より単位制を導入
教育方針として揚げているのは「生活即教育」。自由学園は1日24時間学びの場。自分で考え、自分たちのことは自分でする生活を実践している。同校は「自労自治」の生活を大切にしており、学校生活のすべてを生徒たちが管理運営。「自分たちの学校」=「自分たちの社会」という意識を大切にしている。教室では学べない実学も重視しており、教室で使用する椅子を自分たちで作り上げたり、生徒が育てた野菜を使って、週1回、男子部生徒と教員分の昼食作りをしたり、実践の学びが充実している。
学習カリキュラムとしては、2022年度の入学生より単位制をスタートさせた。高校1年で、卒業までに取得すべき必修単位をすべて取得し、高校2年から各生徒が自分の学びたい分野の学習の授業を選んでいくシステムだ。生徒それぞれが、学びたい分野で目指す未来を明確に意識した学習を行うとともに、今、興味があるものにより多くの時間を費やすことができようになった。2024年の共学化以降は、高1~高3まで全学年が単位制のカリキュラムで学ぶことになる。
施設設備
東京都選定歴史的建造物に指定された歴史ある校舎
10万㎡の広さを持つ自然あふれるキャンパスが有名な同学園。幼児生活団(幼稚園)、初等部、中等部・高等部(男女別)、最高学部(大学部)が同じキャンパスで学んでいる。20世紀の世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトの弟子である日本人建築家により、昭和初期に建てられた美しい校舎は、5棟が「東京都選定歴史的建造物」に指定されており、男子部体操館はそのうちの1つ。校外施設として自由学園明日館(東京都)、植林地(埼玉県)、那須農場(栃木県)も所有。2024年度の共学化に向けて、男子部の校舎を中等科に、女子部の校舎を高等科に改修していく。中学1年、高校1年は全員入寮の同校男子部。男子部の寮は、夜明けを告げる鶏「東天紅」からとって「東天寮」と呼ばれている。
学校行事
中高男女一緒に学びの成果を発表するイベントが好評
毎日の生活が学びである同校らしく学校行事は盛んだ。修養会(二泊三日のキャンプ、アドベンチャー、ボランティア活動)体操会、音楽会、クリスマス午餐会、スキー実習など、イベントは豊富。ほか、2021年度、中等科は男女一緒に「共生学」という授業において、人権、環境、平和にかかわる24講座の中から生徒が講座を選択して学習。高等科の「探求」の授業と合わせて、展示あるいはスピーチで、学びの成果を発表する「学業報告会」の実施を中高6学年で行うなど、学校行事も毎年進化している。
部活動
新しいクラブを立ち上げることも可能
アメリカンフットボール部(高等科のみ)を除いて、女子部と一緒に活動している。少人数教育の学校のため、兼部も可能。実際に兼部している生徒は多い。全国大会を目指して厳しい練習を重ねるというより、生徒たちは楽しみながら競技を行い、充実した部活時間を過ごしている。
また「入部したいクラブがない」場合、学校側に相談の上、新しいクラブを立ち上げることもできる。やる気さえあれば、クラブの創設者になれるところは、自立自創の自由学園らしさと言えるだろう。
進路指導
いつでも進路の相談ができるアットホームな環境
高等部を卒業後、同園の最高学部への進学が可能。毎年、40%前後の生徒が最高学部へ進学しているが、大学受験にチャレンジする生徒も多い。同校は、受験を意識する高等部になってから進路指導をスタートするのではなく、中高通して、いつでも進路指導ができるスタンスで生徒と向き合い「将来何になりたいのか」「どういう社会人になりたいのか」など、教師と生徒が将来について話し合える環境を整えている。少人数制でアットホームな学校の特色が、生徒の心に寄り添う指導を実現していると言えるだろう。
その他
「脱炭素チャレンジカップ2020」で文部科学大臣賞を受賞
同校では社会問題を社会に発信する「SAJ Social Action of JIYU」という取り組みがあり、「脱炭素チャレンジカップ2020」で、183団体の中から男子部高等科3年生が発表した「木の学び~森づくりから木材利用へ 生徒の歩み」が文部科学大臣賞を受賞。自然溢れる同校での学びが形になったと言えるだろう。
また、自由学園には自治委員会(生徒会)があり、任期は短く60日で新しい委員に引き継がれる。また委員を決めるのは推薦や選挙ではなく、50音順に順番に委員を担当していく。つまり全生徒が一度は自治委員会に所属することになるのだ。自治委員会は、さまざまな行事の運営や企画を行うため、全員が経験することで、委員会に属していない時期でも自治委員会に協力する姿勢が生まれる。こうして生徒が自ら「学校作り」を行っているのが同校の特徴。これは2024年度の共学化においても変わらない、まさに「共生共学」を目指す自由学園らしさと言えるだろう。