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スクール特集(郁文館高等学校の特色のある教育 #5)

模試感覚の受験から広がる可能性! 都立自校作成型オープン試験

郁文館高等学校では、2025年度から「都立自校作成型オープン試験」を実施。模試感覚でチャレンジできる入試から広がる可能性について取材した。

2025年度から導入した「都立自校作成型オープン試験」について、募集広報室の遠藤美樺さんと同入試で入学した生徒らに話を聞いた。

都立第一志望を貫きながら、私立上位校級クラスも射程圏へ

都立自校作成校を志望する受験生にとって、悩ましいのが「都立と私立の受験対策をどう両立するか」という問題だ。都立は記述量の多い自校作成型、私立は高度な選抜問題と、それぞれ方向性の異なる対策が求められるため、限られた時間の中で両方に備えるのは容易ではない。
こうした中で郁文館高等学校が2025年度入試より導入したのが、“都立の対策で受験できる”「都立自校作成校型オープン試験(以下、都立オープン入試)」だ。特長は、都立向けの勉強をそのまま活かして挑戦できるうえ、上位成績者には「私立上位校と同等レベルのカリキュラムを持つ3年特待クラス」への合格が開かれている点にある。
都立第一志望を崩さずに、難関私立レベルの学習環境を同時に視野に入れられる。この“都立対策一本化で、私立上位校級の進路も開く”という新しい進路選択の形が、受験生の注目を集めている。

上位成績優秀者は入学金と3年間の授業料を免除

都立オープン入試は、都立日比谷・戸山・青山など、都立進学指導重点校を中心とする10校が実施する自校作成問題に類似した形式の学力試験だ。都立入試の約1週間前に本番と同じ時程で行われるので、直前期の実戦演習として力試しをすることができる。都立オープン入試は、国立選抜クラスを希望する受験生が対象となっているが、合格者のうち上位成績優秀者から*iP classの生徒が選抜され、iP class入学者は3年特待生制度(入学金・実質授業料免除)が全員に適用される。同校では、都立高校を第1志望とする受験生にも、大学受験やその先を見据えた教育環境・進路指導を徹底した私学で学ぶことを選択肢の1つとして提供することを目的に、この入試を導入したという。

「出題された問題用紙は持ち帰り可能で、2026年度入試から受験者には模範解答を開示することになりました。入試直前に自分の解答を振り返ることで、より万全な都立入試対策が可能になると思います。2026年度は、iP classで10名ほどが特待生として入学できるチャンスがあります」(遠藤さん)

受験当日には何が起きるかわからない。もし都立に合格できなかったとしても、特待生として同校の教育環境で学べる選択肢を残せるように、ぜひチャレンジしてほしいと遠藤さんは語る。

「通常の学力考査による試験日とは別日なので、いろいろな併願スタイルが可能です。本校が第1志望ではなかった生徒も、本校で生き生きとした学校生活を送っています。iP classは中学校から入学した生徒と混合クラスになりますが、特待条件の確認などを通して入学前から教員とコミュニケーションを取る機会を用意しています。**夢手帳の書き方のフォローアップから夢カウンセリングを早めに行うなどのサポートもしっかりと行っているので、今年度、高校から入学した生徒もiP classにスムーズに溶け込めました」(遠藤さん)

*iP class:世界の現実を知り、世界を経験的に学び、世界の本質を理解した世界人財としての資質を身につけ、東京大学を始めとする最難関国立大学の合格を目指すクラス。

**夢手帳:将来のなりたい姿から逆算し中学高校時代の目標、計画を立て、今日すべきことを明確にして記す同校オリジナルの手帳。

▶︎募集広報室 遠藤美樺さん

国立選抜クラスの高1生にインタビュー

Tさん(高1 国立選抜クラス 都立オープン試験受験者)

北海道の中学校に通っていたが、芸術系の課外活動に力を入れており、活動の拠点を考えて北海道と東京の高校を受験。第3志望として同校の都立オープン試験を受験して同校に入学後、課外活動や生徒会、東大クラブでの活動などを勉強と両立させ、模試では学年トップ3に入る実力を発揮している。

――この学校に通ってみてどんなことを感じましたか?

Tさん 第1志望ではありませんでしたが、通ってみたらいい学校だなと感じています。とにかく勉強ができる環境が整っているし、行事も面白くて、よい意味で普通じゃないところがいいなと思います(笑)。例えば、文化祭では地下ステージがとても豪華です。高校でそこまでやるのかという驚きがあり、企業がやるレベルだと感じました。

――課外活動や生徒会、東大クラブの活動などと勉強の両立はどのようにしていますか?

Tさん 中学校でも生徒会活動をしていたので、高校でも入りたいと思いました。両立は大変だなと思いますが、大変なのが楽しいです。電車で移動中に勉強するなど、時間を有効に使っています。

――入学後はどんな夢が見えてきましたか?

Tさん 今は航空系か医療系の仕事に関心があります。航空系ならパイロット、医療系なら大学病院などで働くのではなく、企業の産業医などになりたいです。

――「学力夢合宿」で東大を目指したいと語ったそうですが、東大に対してどのような思いがありますか?

Tさん 札幌にいる頃は北大でも厳しいかなという感じで、東大を目指すなんて思っていませんでした。この学校に通うようになり、東大を目指す人が周りにたくさんいるので刺激を受けて、iP classの友達とも高め合っています。視野も広がるし、競争相手がいるのは私にとってよい環境です。入学してから受けた模試の結果から自分は意外とできると思ったのですが、校内にはまだ上がいるのでもっと上を目指したいと思っています。そのような中で、職業の選択肢を広げるためにも、東大を目指したいと思うようになりました。もともと1番が好きというのもありますが(笑)、誰もが目指すわけではないところを狙ってみたい気持ちもあります。

――受験生にメッセージをお願いします。

Tさん 都立オープン入試は今年から解答も開示されるそうなので、第1志望の受験前に自分の力が調べられるよい機会になると思います。第1志望に受かる自信があっても、力を発揮しきれないこともあるので、保険をかけておくことも必要です。都立オープン入試は、受験料の負担が少ないのもよいと思います。

iP classの高1生にインタビュー

Sさん(高1 iP class 2期生 都立オープン試験受験者)

都立高校が第1志望だったSさんは、通っていた塾で同校が都立高校の自校作成型に近いスタイルの新しい入試を導入すると聞いて受験。第2志望だった同校に特待生として入学し、iP classで切磋琢磨しながら模試で学年トップ3に入る実力をさらに向上させている。

――この学校に通ってみてどんなことを感じましたか?

Sさん 学習環境が整っていることが大きな魅力で、自学できる生徒が多いという印象です。iP classは周りも東大を目指しているので、そういった雰囲気は私にとってとてもよいと感じています。東大進学に向けて、先生方のサポート体制も整っています。

――東大を目指したいと思うようになったのはいつ頃ですか?

Sさん 小学校の1年生ぐらいから、うっすら思っていました。兵馬俑やエジプトの歴史に関する本を読むのが好きで、そういった研究に関係する本の著者が東大の先生だったのです。ですから、親に勧められたというわけではありません。中1から中2の間はその気持ちは少し薄れていましたが、中3でまた思い出して東大がいいなと気持ちが固まりました。中3のときは「絶対東大!」という感じで、気持ちが炎のように燃え上がっていましたが、今は冷静な見方ができるようになったと感じています。相対化して他の大学と比べても、日本で最高峰の研究が行われている場所であり、政界においても著名な人を輩出しているので、やはり東大で学びたいと思っています。

▶︎Sさんの夢手帳

――将来についてはどのように考えていますか?

Sさん 優しさからくる賢さを持ち合わせ、どんなことにも縛られずに自分らしく生きられる人になりたいと思っています。例えば、自由になりたい気持ちがあって自由になりたいと思うほど、自由が遠くなっていくものだと思います。自由になることにとらわれないように、気持ちに余裕を持てるようになりたいです。そういう生き方を目指すには、視野を広げたり、自分の可能性をもっと広げたりすることが大事だと感じています。そのためにも、東大でしっかり学ぶことが将来につながる選択肢のひとつだと考えています。

――入学してから今までで、一番楽しかったことを教えてください。

Sさん 1つ挙げるとしたら文化祭です。郁文館の文化祭では、毎年1年生が模擬店を運営する「起業体験プログラム」を実施しています。ただの屋台ではなく、生徒が擬似会社の社長として模擬店を運営します。私のクラスは2つ出店しましたが、私が取り組んだのは脱出ゲームです。iP classとして頭を使ったところをいろいろな人に見せることができ、本番に向けて一気にみんなの心が1つにまとまった感じがしました。私自身も、中学時代の経験を新しい形で活かせて楽しかったです。郁文館での学校生活では、様々な場面で「情熱」を感じます。

▶起業体験プログラムの様子

iP classの高2生にインタビュー

Kさん(高2 iP class 1期生)

都立高校が第1志望だったKさんは、第2志望の同校に特待生として入学。入学式や文化祭などでMCとして活躍するなど、充実した学校生活を送りながら東大を目指している。

――入学当初はどのように気持ちを切り替えましたか?

Kさん 第1志望の学校に合格できなかったのでもやもやした気持ちはありましたが、目標に向かって一生懸命にやったこと自体は、結果がどうであれ自分の糧になっていると思っています。それまでの努力を腐らせずに、今歩んでいる道が自分の正解だったと言えるぐらい思いっきり楽しんで、全力でやっていこうというのが僕の信条です。ですから今は、とても充実した学校生活が送れています。

――iP classはどんなクラスですか?

Kさん 東大を目指す生徒が1つのクラスに集まって、文理を問わず学べる環境は素晴らしいと思います。僕自身も東大を第1志望にしているので、同じ目標を持った仲間と3年間過ごせるのは精神的にも学力の向上にもよい環境です。周りからのよい刺激も多いと感じています。

――東大への進学を意識したのはいつ頃ですか?

Kさん 中学生の頃は大学についてまだあまり考えていなかったので、東大はすごいなというイメージを持っているぐらいでした。将来の夢から逆算したとき、自分の頭で考えたり思考できる範囲を増やして、多角的に物事を見られるようになり、それを他の人と共有できるようになって大学を卒業したいという思いがあります。そのためにも東大を目指したいですし、iP classに入れたので、目指せるなら日本のトップに入ろうじゃないかという気持ちにもなりました。

――将来に向けてどんな夢を描いていますか?

Kさん 高校に入学する前から、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い人たちを笑顔にできる人材になりたいという漠然とした思いがありました。この学校で、それを具体化しているところです。分野としては、教養学部や国際教養学部、観光に関する勉強に興味を持っています。職業としては、オリエンタルランドなどのテーマパークのデザイナーのような仕事です。自分が作った何かがたくさんの人を喜ばせ、自分が関わった建物などが、自分がいなくなった後もずっと残っていけば、自分が生きた証を残せると思います。

▶︎Kさんの夢手帳

――どんなところに郁文生らしさを感じますか?

Kさん 思春期の生徒たちが夢や目標を堂々と言えるのが、郁文生らしいと感じます。中学生の頃は、自分も含めて夢を語ることが恥ずかしいと思っている人が多かったです。はっきり夢を語ることに恥ずかしさを感じないことが、高入生の僕にとってこの学校がいいなと思ったことの1つであり、大きな変化でした。

――行事などでMCをやるようになったきっかけを教えてください。

Kさん 入学式のときに、生徒がMCをやっていることに驚きました。もともと生徒会とか学級委員とか、前に出ることが好きなタイプだったので、MCをやってみたいと思うようになったんです。学校生活を送るうちに、応募すれば自分にもチャンスあると知ってチャレンジしました。

▶︎イベントでMCをするKさん

――MCの選考はどのように行われますか?

Kさん 行事ごとに*TEAM DDが募集をしているので、やりたい理由や意気込みを動画に撮って送ります。それを見てTEAM DDが選考するのですが、去年の卒業式から、今年の入学式、体育祭、文化祭と4回連続で選んでいただくことができました。

MCをやるときは、全体像を把握して自分の中に落とし込んでから本番を迎えるようにしています。自分が一番楽しんでやらないと、他の人を笑顔にはできません。事前に全部準備した上で、その都度起きるハプニングも含めて楽しんでいるから、選んでもらえているのかなと思います。

*TEAM DD(TEAM DRAW DREAMS)は、郁文館で行われる全てのイベントの企画・運営と撮影、そして毎学期ごとの番組制作・放映を行う部活動。

――MCの経験を通して、成長したなと感じることはありますか?

Kさん 1つ挙げるとすれば、多少のハプニングでは慌てなくなったことです。台本を作っておいても、台本通りに進められることはほぼありません。観客の反応に合わせて調整したり、時間の都合で順番を入れ替えたり、台本と違う流れになることがほとんどです。変更点に対して冷静に対応し、変わった部分とやるべきことを把握して、観客には焦りを見せずにもともとそう決まっていたかのように振る舞えるようになりました。入学式や卒業式の司会を生徒がやる学校はあまりないと思うので、郁文館だからできる経験です。最近は、MCの経験からニュースキャスターのような仕事もいいなと思うようにもなり、可能性が一気に広がるのがこの学校のいいところだと思います。

<取材を終えて>
iP classの特待生制度は、都立高志望の生徒にとっても大きな魅力であると感じた。インタビューした3人は、同校が第1志望ではなかったが、それぞれ同校でしかできない体験を楽しんでいる。特にKさんは、MCという同校だからこそできる体験を存分に楽しんでいることが伝わってきた。

12/17開催:都立自校作成校志望者のための直前対策説明会

都立自校作成校を志望する受験生に向け、同校は2025年12月17日(水)に特別説明会を開催する。
自校作成校特有の記述力・論理的思考力が求められる出題に対し、直前期(本番2か月前)にどのような準備をすべきかを専門的な観点から解説する内容だ。

当日は、都立日比谷・戸山・九段高等学校で東大受験指導を歴任したプロ講師が登壇し、得点力を高めるための直前対策と分析を講義するほか、同校が実施する「都立自校作成校型オープン試験」の概要についても紹介される。本番と同質の問題に触れ、近い形式での実戦演習ができる貴重な機会となっている。

【開催概要】
日時: 2025年12月17日(水) 16:30〜17:30
対象: 都立自校作成校を受験予定の中学3年生・保護者
会場: 郁文館高等学校(東京都文京区)
内容:
・都立自校作成校の出題特性と直前対策のポイント
・都立自校作成校型オープン試験の解説
・上位クラス「iP class(3カ年特待)」「国立選抜クラス」の紹介

申込方法: 同校Webサイトより事前申込
▶【都立上位校志望者対象】あなたの都立受験勉強がそのまま活きる私立入試 | 郁文館夢学園

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