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スクール特集(正則高等学校の特色のある教育 #9)

チャレンジ精神、やり遂げる力を育む生徒主体の体育祭

正則高等学校の体育祭は、生徒が企画から運営までを担う、まさに生徒主体のイベントだ。今年5月に開催し、大いに盛り上がった体育祭を、実行委員と生徒会顧問の先生と共に振り返った。

3学年・全クラスによる対抗戦。勝敗のカギはクラスの団結力!

5月14日、「飛翔」をスローガンに掲げた正則高等学校の体育祭が、京王アリーナ TOKYOで開催された。同校の体育祭は、1~3年の全クラス対抗で得点を競うのが特徴だ。また、体育祭実行委員が企画から運営まですべてを担当し、前年の11月から準備を進めているという。なお、実行委員は委員長、副委員長、書記、広報、会計からなる「五役」と、招集、審判、得点、用具、体育祭旗の「班」で構成されている。

例年、体育祭で行われているのは、綱引き、集団クラスリレー、ムカデ・4人5脚、障害物リレー、クラス代表リレー、大縄跳びだ。そして、昨年度から騎馬戦、今年度はクラブ対抗リレーが新しく加わった。

体育祭当日、開会式が終わると、綱引きから競技がスタートした。参加人数は男女それぞれ対戦相手に合わせて調整し、2回戦までを実施。プログラム2番は、各クラス18名(女子5名以上)が出場する集団クラスリレー。3番のムカデ・4人5脚は、6人が縦に並び足を紐で連結して往路を走り、同じく足を連結した横並びの4人が復路を走る。4番の騎馬戦は、今年から男女別、学年対抗で行われた。

プログラム5番は、新種目の「クラブ対抗リレー」。このリレーは、本気で走る「ガチレース」と、エンターテイメントの要素を取り入れた「エンタメレース」の2つのバージョンがあり、「エンタメレース」では、科学部が白衣を着て走ったり、剣道部は竹刀を振りながら、バドミントン部はシャトルを上に突きながら走るなど、クラブの持ち味が披露された。

午後は、6番の綱引き(3回戦以降)から始まり、7番は障害物リレー。8番のクラス代表リレーは、男女3人ずつの混合レースで女子が各90m、男子が各180mを走行。最後はクラス全員が参加する大繩跳びで締めくくられた。

その他、同校の体育祭は、各クラスの工夫を凝らした応援も見どころになっており、別枠で応援賞も設けている。競技も応援も学年を越えたクラス対抗であるため、どのクラスも作戦を練ったり、空き時間に練習をしたりして、本番に臨んでいる。体育祭の勝敗は、その練習量や、また団体競技が多いため、個人の運動神経の良し悪しというよりは、団結力がカギになっているそうだ。

▶︎各クラス工夫を凝らした応援

体育祭実行委員へインタビュー

今年度の体育祭をどのように準備し、本番を迎えたのか、3人の実行委員に話を聞いた。

Nさん 3年生 体育祭実行委員長
Fさん 3年生 体育祭実行委員 五役(会計)
Sさん 3年生 体育祭実行委員 五役(広報)

―体育祭実行委員をしようと思った理由や、その時の意気込みを教えてください。

Nさん 1、2年生の時も実行委員をやっていました。昨年は競技時間が1時間もオーバーするなど課題が残り、今年は最後の体育祭なので、自分たちの手でみんなが楽しめるものにしたいと思い、委員長に立候補しました。

Fさん 私は昨年から実行委員になり、その時は班の仕事をしていただけでした。今年は最終学年でもあるし、これまでチャレンジというものをあまりしてこなかったので、五役をやろうと決心しました。また、まとめ役としてみんなが情報を共有できるルールを作りたいと思いました。

Sさん 1年生から実行委員をしていますが、昨年は、私たちの学年があまり活躍していないと感じました。今年はもっと積極的に動いて昨年を超える体育祭にしたかったし、また、自分は五役のなかでも伝える仕事が向いていると思い、広報に立候補しました。

▶︎Nさん

―新種目をはじめ、どのようにプログラムを作っていったのですか?

Nさん 歴代続く競技は、生徒も楽しみにしているので据え置きました。昨年、時間が押した原因は騎馬戦にあったため、ルールをクラス対抗ではなく学年対抗に変更し、昨年はなかった制限時間も設けました。
新しい種目のクラブ対抗リレーは、自分が提案しました。自分は硬式野球部に入っているのですが、夏の大会に出た時に、先生や生徒がたくさん応援をしてくれたのが嬉しかったことがきっかけです。文化部は、練習の成果などを文化祭で見てもらえますが、運動部はみんなに伝える機会があまりありません。新入生に対するクラブ紹介のような感じで、部活の良さをアピールする場を作りたいと思いました。同時に、個人活動のクラブが、リレーを通じてチームの意識を高めてくれたらいいなとも思いました。

▶︎クラブ対抗リレー

―実行委員の活動で苦労したこと、やりがいを感じたことはありますか?

Fさん クラブ対抗リレーを入れるにあたり、やる意義について、五役で何度も話し合いました。学校には主に委員長と副委員長が交渉し、許可が出た時は本当に嬉しかったです。体育祭当日は、時間通りに進行できるか不安でしたが、時間も押すことがなく、クラブ対抗リレーもとても盛り上がり、苦労が報われた気がしました。

Sさん 私たち女子バスケ部は、クラブ対抗リレーの「ガチレース」に出場したのですが、想像していた以上に周りが応援してくれ、他のレースを見ていても楽しかったです。また、五役は練習の貸し出しも行い、体育祭が近づくにつれて申し込みをするクラスが増え、生徒の気運が高まっていく様子や、本番もハイレベルな戦いを見ることができ、つくづく実行委員をして良かったなと思いました。

Nさん 今年の五役は経験者が2人だけで、自分も副委員長も初めてでした。最初の頃は話し合いをしても意見が出ず、なかなか準備が進みませんでした。みんなを動かしていくには、まず自分が動き、たくさん働かなくてはいけないと思い、会議の時は事前に話す内容を考え、案も持っていくようにしました。やりがいを感じたのは、体育祭の最後にスピーチをした時に大きな拍手をもらい、先生方にも「いい体育祭だったよ」と言われた時です。体育祭を成功させることができ、自信もつきました。

▶︎Fさん

▶︎Sさん

―実行委員をして成長したことは? また、来年の実行委員に伝えたいことはありますか?

Sさん 広報の仕事だけでなく、用具班の手伝いをしたり、召集班が招集をする時に抜けているところを補ったり、全体を見る力や、自分から率先して動く力がついたと思います。今年の体育祭はスムーズに進行できたので、来年もがんばってほしいです。

Fさん 自分たちで決めたことを最後までやり遂げ、責任感がついたと感じます。次の実行委員には、「11月からいろいろな決め事をしておくと、早く準備ができるよ」と伝えたいです。

Nさん 実は、クラブ対抗リレーの提案は一度学校に却下されたのですが、諦めずに交渉を続けて新種目に認められました。最終的に任されたからには、必ず結果を出そうと闘争本能が沸き上がりました。そういうのも良い経験になりましたね。クラブ対抗リレーは、来年も継続してもらいたいです。本当なら15分でやる予定でしたが、30分に伸びてしまい、そこは改善の余地があると思います。

▶︎開会式で前に並ぶ実行委員たち

▶︎各競技の審判も実行委員が務める

実行委員の熱量とみんなを巻き込む力が、体育祭の成功へ

ここ6年間、生徒会顧問として体育祭実行委員の活動をみてきた宇田尊聖先生は、「毎年、実行委員たちは、『昨年を超える体育祭にしよう』と意気込んでいますが、今年は特に強い意志を感じました。クラブ対抗リレーを新しく入れる案も、昨年、1時間押したうえで、さらに競技を増やすのは、正直難しいのではと思いました。けれども、彼らは騎馬戦のルールを変え、シミュレーションもして時間削減を証明したり、選手の招集場所を変えるなど、細かい変更点も加えて少しでも時短ができるように工夫していました。その熱量とモチベーションがあれば、どうにかなると最後は背中を押しました」と話す。

「また、今年の実行委員は会議も一番多くやっていましたし、参加率も高かった。新しい種目を作ることを含め、前向きに動き、とりわけ実行委員長が熱く、委員全体を引っ張っていました。クラスやクラブに対しても、ただ決定事項を伝えるだけでなく、『協力をしてください』という態度でみんなを巻き込み、みんなが協力し合ったからこそ、いい体育祭になったのだと思います。

とは言え、当日は時間通りにできるか確信も半々で、実行委員にはあらかじめ、『時間が押したら、クラブ対抗リレーはカットする』という約束をしていました。しかし、剣道部は竹刀を持参しているし、出場部員はみな準備をしているから、『カットはできないよね』と、実行委員も緊張感をもって運営をしていました。それが、成功につながったのでしょう」

最後に宇田先生は、体育祭の良さをこう語る。「1つは、全クラス対抗ということです。本校はクラス替えが3年間ないので、特に3年生には積み上げてきたものがあり、自分のクラスの強みもわかっていて、それが取り組みにも現れています。そして、生徒が主体となってつくり上げ、生徒主役の行事というのも良いですね。来年の実行委員にも、チャレンジ精神で臨んでほしいと願っています」

▶︎宇田尊聖先生

▶︎今年の体育祭をつくり上げた総勢100名以上の実行委員

<取材を終えて>
体育祭という1つの行事を半年間かけてつくっていることが率直にすごいと思い、同校が行事を大切にしていることも伝わってきた。また、実行委員が常に生徒が楽しめることを念頭に置き、新しい企画を考えたり、進行がスムーズにいくよう工夫したり、積極的に活動している。新種目を入れる理由もしっかり練り、学校に交渉する過程も素晴らしいと感じた。

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