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されじあんこくさいがくえん

サレジアン国際学園高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(サレジアン国際学園高等学校の特色のある教育 #2)

本科、インターナショナルの2コース制 特色ある教育で21世紀に活躍できる力を育成

サレジアン国際学園高等学校は、PBL型授業や2コース制を導入し、「21世紀に活躍できる世界市民の育成」を図っている。同校の教育活動について、募集広報部部長の尾﨑正靖先生に話を聞いた。

PBL型授業を全教科に導入し、思考力や表現力を養成

同校は、「21世紀に活躍できる世界市民の育成」をビジョンに掲げ、「言語活用力」「考え続ける力」「コミュニケーション力」「数学・科学リテラシー」「心の教育」の5つを教育重点項目に設定。そして、これらを着実に履行し、必要な力を育てるために、全教科でPBL(Project Based Learning)型授業を展開している。

PBLとは、解がひとつではない問いに対して、生徒自ら最適解を見つけていく学びのスタイル。授業は、先生がトリガークエスチョンを投げかける→個人で最適解を構築→グループディスカッション→グループの結論選択→プレゼンテーション→ルーブリック評価という流れで行われる。

尾﨑先生は、「変化の激しい21世紀社会で活躍するには、与えられた知識を処理する能力よりも、自ら課題を発見し、自分の力や周りと協働して解決する能力が求められます。PBL型授業は、自分で考え、他者と議論しながら最適解を見出します。こうした学習を積み重ねることで、論理的思考力や自分の意見を伝える力を養っていきたいと考えています」と話す。

▶︎募集広報部部長 尾﨑正靖先生

本科クラスは「研究者のように学ぶ」教育を実践

同校は「本科」と「インターナショナル」の2つのコースを設置し、本科はPBL型授業をはじめ、ゼミナールで個人研究を行うなど、主体的に深く掘り下げた学びを展開している。
ゼミナールは中学2年~高校2年の生徒が合同で活動し、4学年で同じ文献を輪読したり、一緒に実験をしたり、また高2が取り組んでいる個人研究の発表を下の学年が聞いて意見をするなど、大学のゼミナールのような学び合いが行われている。

開講しているのは、「文藝批評・文化論ゼミナール」「Math-Lab~数楽研究室~」「プログラミングゼミ」「TEC(Technology・Energy・Cosmic)」「化創ゼミ(化学で創造するゼミ)」「NEOバイオ」「クラブヒストリア」「entrepreneur(アントレプレナー)養成講座」の8講座。生徒はその中から興味関心のあるゼミナールを1つ選択する。毎年、秋に開催される学園祭では、ゼミナールごとにブースを設け、全員が個人研究の進捗報告にあたるポスターセッションやプレゼンテーションを行っている。そこで、来場者からフィードバックを受け、それを研究に活かし、高校2年生は学びの集大成として最終論文を執筆する。

「高校入学生は途中からゼミに入る形になりますが、これまでの高校1年生の様子を見ていても、すぐに慣れて積極的に活動をしています。プレゼンも論文もきちんと仕上げていますね」と尾﨑先生は言う。

インターナショナルクラスは、デュアル・ディプロマ・プログラムを導入

インターナショナル(以下インター)は、英語習熟度別にアドバンストグループ(AG)とスタンダードグループ(SG)の2つのグループで授業を展開している。AGは、英語、数学、理科、社会、情報の主要教科を、それぞれの専門知識を持つ外国人教師(IT:International Teacher)がオールイングリッシュで指導し、授業の7割は「英語で学ぶ」形態となっている。

一方、SGは英語の授業が週8時間あり、オールイングリッシュで指導している。「SG生も豊富な英語授業数に加え、日常的にAG生や外国人教員と触れ合う環境で過ごしているので、確実に英語力が伸びています」と尾﨑先生。なお、同校には24人のITが在籍し、全員が専門教科の修士号と5年以上の教師の経験を持っている。

また、AGは高1の3学期から、西オーストラリア州教育省と提携したデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を実施。DDPとは、国内の学校に通いながら、海外校のカリキュラムも同時に履修し、2つの国の卒業証書(デュアル・ディプロマ)を取得できるプログラムのこと。つまり、必要な単位を修得した生徒は、サレジアン国際学園高等学校と西オーストラリア州の高校卒業資格(WACE:Western Australia Certification of Education)を得ることができ、海外大学進学の選択肢がより広がることになる。

他にも高校1年の3学期から、3、6、12ヶ月の海外留学ができる制度があり、英検準2級以上、2年次に進級できる成績をクリアすれば、全員が参加することができる。渡航先は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏。AG生の場合は、DDPでの留学となり、西オーストラリア州に限定される。

ゼミや英語学習の成果が大学進学に反映

同校では、生徒たちが卒業後、自分が思い描く道を歩んでいけるようキャリアサポートにも力を入れている。進路や職業のガイダンスの他にも、マネジメントプログラム、企業訪問、希望者にはインターシップを行っている。また、教員の知人や保護者が登録している「サレジアン・キャリア・サポーター」が、各スペシャリストとして仕事や生き方などを講演。生徒たちが様々な価値観に触れる機会を設けている。

また、個々の進路に対応した進学指導も丁寧に行っている。尾﨑先生によると、「本科では、ゼミの学びと大学進学が7割くらいリンクしています。ゼミの研究とつなげて大学を選んだり、ゼミの活動成果を活かして総合型選抜にのぞみ、合格を手にする生徒も多くいます。志望理由書や小論文の書き方も指導しますし、もちろん一般選抜型の入試も、対策講座や夏期講習などの対応をしています。インターのAGはDDPを利用して海外大学に出願ができるほか、国内大学の帰国生入試も受けることが可能です。SGは、英語の授業で大学受験につながる学習も行っています。学校で十分英語力をつけることができるので、その分、他教科の学習に注力することができます」と語る。
 
「今年3月に、共学化1年目に入学した74名の生徒が卒業しました。上智大学に9名、早稲田や慶應、東京理科大学などにも合格をしています。また、生徒の大半が第一志望校に進学しており、自分で進路を拓く力も身についていると感じました」

生徒へのインタビュー

生徒たちは、日々どんな学校生活を送っているのか。本科、インターナショナルSG、AGの3人の高1生に話を聞いた。

お話を聞いた人
Yさん 本科クラス 高校1年生
Kさん インターナショナルクラス(SG) 高校1年生
Nさん インターナショナルクラス(AG) 高校1年生 小2~4年までフィリピン、小4~中1の1学期までタイのインターナショナルスクールに在学

―この学校と、今のコースを選んだ理由を教えてください。

Yさん ゼミが魅力的だったことと、英語力が向上できるという2つの理由から選びました。実際にゼミの活動は楽しいですし、英語に関してもロングホームルームでAG生が英語で意見を言っているのを必死に聞いているうちに、耳が鍛えられました。日常的に英語に触れられるのも良い環境です。

Kさん 中学に入学する前は英語ができなかったけれど、興味はあったので、英語学習に力を入れているSGを選択しました。英語で日常会話をしているAG生と交流が深まるにつれて、自分も英語で話すようになり、もっと上達したいと思うようになりました。今は英検準1級を目指しています。

Nさん Before I came to Salesian, I was in Thailand and the Philippines. Then, I wasn’t studying Japanese much since I attended an international school. I was able to speak Japanese as my first language, but I wasn’t strong at it, especially comparing it to English. So when I came back to Japan, I wanted to find a school where I can use both of my language skills. There, I realised that if I could learn and use both languages, I can act as a bridge between Japanese people and international students. That is why I chose the AG course, since that course provided me with an opportunity to learn both languages.

▶︎Yさん

—(Yさんへ)ゼミではどんな活動をしていますか?

歴史に関心があったので、クラブヒストリアのゼミに入りました。1つの大きなテーマで話し合いをしたり、自分の好きなテーマを選んで個人研究をしたりしています。私は「郷土料理」を研究しています。独ソ戦や日本の城、過去にあった病気から学ぶなど、本当にテーマがさまざまです。文化祭前に研究発表をするのですが、プレゼン資料の作り方や見せ方、話し方など、他の人の発表を聞くのも勉強になり、自分にないテクニックを得ることもできます。

—授業の感想や、学校生活を通して成長したことを教えてください。

Yさん PBLは、問いに対して、自分の持ち合わせている知識を組み合わせ、解決策を構築していく過程が、パズルをやっているみたいで楽しいです。最後はグループで選ばれた人がプレゼンをします。以前は、あがり症で言葉も詰まっていたのですが、何度も経験するうちに克服できました。それが自信になって、部活で副部長を務めたり、昨年度は生徒会選挙に立候補して、今は書記をしています。積極性が付いたのも、PBLのおかげかな?

Kさん 英語の授業は、質問も課題も英語を使わなくてはいけません。最初は英語を聞き取るのも大変でしたが、今は普通に楽しめるようになりました。どの教科も生徒が主体的に学ぶ授業なので、考えが深まります。最近、自分が変わったなと思うのは、困っている人を積極的に助けるようになったことです。たとえば、外国人の観光客が困っていたら、自分から声をかけるようになりました。友だちもそうしているし、自分に英語力がついたのも大きいです。

Nさん Being in the AG class, I was able to find a fine balance between Japanese and English. I was able to develop English academically through the main 5 subjects like math, science, etc. But other than that some of my friends were complete English speakers so I was able to keep up my casual talking skills with them. As for Japanese, I think contributing to the school’s community made me more confident with using Japanese. I joined the Basketball club when I joined the school, and since then I have been practicing really hard. I made friends in the team that I probably wouldn’t have made if I didn’t attend, since they were all fully Japanese. As I went to more practices, I became more comfortable with speaking Japanese. Now, I am the official club leader of the Basketball club.

▶︎Kさん

―今後チャレンジしたいこと、将来の夢を教えてください。

Yさん 来年は部活の部長をやってみたいです。あとは英語力を伸ばすこと。昨年、フィリピンボランティアに参加し、私はそれほど英語ができなかったけれど、身振り手振りでも相手に伝わった感覚がありました。それから、学校の外国の先生にも、間違っても気にしないで話しかけるようになりました。
将来は、大学に進学して、ゼミの応用じゃないですけど研究の成果を出し、食品メーカーに就職したいと思っています。ちゃんと働いて、今まで支えてくれた親にも恩返しがしたいですし、そういう意味でも自立した人になりたいです。

Kさん 中学で2週間のオーストラリア研修に参加し、とても印象に残っているので、今度は1年間の留学をしたいです。向こうで自己紹介をする時に特技があると良いと思い、ダンスとフルートを習っています。それをもっと上達させたいです。また、オーストラリアでは英語だけでなく、英語を使って何か違うことを学びたいです。将来は、英語を活かした仕事に就きたいと考えています。

Nさん I am not sure at the moment, but I do have some ideas, and one of them is taking on my hobbies. I want to be sure that I’m good with my academic skills, but I don’t want to be relying just on that to go somewhere after graduation. I want to be able to do what I really like and what I really want to do, instead of being forced to study about something I don’t have much interest in. Now I’m very interested in music and I’m actually making music of my own when I have free time using my guitars. I also created a band by gathering my international friends. One is from Australia, one is from Italy, and the other is from America. This diverse environment really supports me on that journey of me exploring music, since I get to explore different types of music culture my international friends like.

▶︎Nさん

―この学校の良さ、魅力は何でしょうか?

Yさん 先生と生徒の距離が近いことです。いろいろな先生と親しく話ができ、勉強の質問や相談もしやすいです。学校全体の雰囲気が温かく、生徒もフレンドリーなので、高校から入学した人も溶け込みやすいと思います。多様性を肌で感じられるのも良いです。

Kさん 校則が自由で、先生も生徒を認めてくれるので、自分の好きなことができる学校です。個人的には、シスターの存在が大きいです。この春、フィリピンボランティアに参加したのですが、その時のメンバーで、研究成果を発表するための準備として合宿をしたいと申し出たら、OKを出してくれました。生徒を信頼し、優しく寄り添ってくれるシスターが学校にいることは、とても安心感があります。

Nさん I think the strongest point about this school is its diverse environment, especially comparing it to other Japanese schools. Before coming back to Japan, I thought I would live my whole life only speaking English, since I sort of gave up on Japanese. But now, I am able to use English academically and casually with my friends, and also use Japanese to even lead a basketball team. Now, I consider myself as a true bilingualist.

<取材を終えて>
ゼミで研究活動をする「本科」、充実した英語学習の「インターナショナル」と、特色のある教育を実践し、生徒たちも自分のやりたい学びを選んで力を伸ばしている。在籍する生徒たちも多様で、「互いを高め合える環境が良い」と、生徒たちも実感していることがインタビューから伝わった。

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