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しずおかけんりつかわね

静岡県立川根高等学校 

学校詳細

建学の精神、教育理念

校訓「自省」「創造」「果断」

1963年に開校。当時、川根地区には自宅から通える高校がなく、高校生たちは都市部での下宿やアパートでの集団生活を余儀なくされていた。地元からの要望で、静岡県立藤枝東高等学校川根分校として開校し、1966年に独立。開校以来、自宅から通える高校として地元で愛され、地域と密着した教育を行っている。校訓「自省」「創造」「果断」の精神に則り、生徒一人ひとりの確かな学力、豊かな感性、健やかな心身を育成するとともに、生徒・保護者・地域にとって安心・安全な学校づくりを目指す。

教育の特色

町と連携した探究学習

学力の幅が広く、多様な個性や目標を持った生徒たちが集まる同校では、一人ひとりに対応できる柔軟なカリキュラムが組まれている。「選択系クラス」では、就職から進学まで幅広く対応。「特進系クラス」では、国公立大や難関私立大への進学の実現を目指す。選択科目では、1人でも希望者がいれば授業を開講し、1人のために授業を進めていくことも特色の1つである。
ICTを活用した先進的な授業も積極的に行っており、タブレット端末は40台以上保有している。静岡県内にある公立高校の中では整備率が高く、授業では1人1台タブレット端末の使用が可能。中山間地域の小規模校における遠隔教育を推進するために、静岡県教育委員会などと連携して、単位認定を伴う外部講師による遠隔授業の研究にも取り組んでいる。
「総合的な探究の時間」を軸に、「川根を想い、川根の未来を創る人を育てる」ことを目指し、3年間を通して「川根の郷『夢』プロジェクト」を実施。1年次は、お茶摘み体験や美味しいお茶の淹れ方を体験しながら、川根地区の主な産業であるお茶について知る。2年次は、南アルプスエコパークを自分たちの足で歩き、高校生目線でのオリジナルツアーを考案。自然と文化を守りながら、地域の産業や観光などの発展を目指す地域の人たちと連携して、探究活動を行っていく。3年次には、独自教科として「地生学」を設定。「よりよい川根地域の創造」をテーマに、「川根地域の緑地化・貢献活動」、「福祉探究」、「スポーツビジネス」、「芸能・文化探究」の4コースに分かれ、探究学習を行う。地元の人から話を聞いて川根の魅力や課題を発見し、商工会での商品企画のプレゼンや、スポーツイベントを企画するなど、様々な課題の解決に取り組んでいる。

施設設備

朝・夕食付きの寄宿舎

ICT環境が充実しており、電子黒板機能付きのプロジェクターは普通教室すべてに設置。校内の敷地だけでなく、町営のグラウンドなども使用可能。少人数なので、部活動ではどの部も広々とした場所で練習することができる。校内のグラウンドは、より快適に、安全に使えるように、教員と生徒が協力して芝生化を進めている。

<3つの寄宿舎>
全国から生徒が集まり共同生活を行う寄宿舎(寮)は3つあり、3つ合わせて最大82人が生活できる。川根本町から補助金がでるため、保護者負担額は、朝夕食付・光熱水費込で月額3~4万円(令和元年度実績)。「南麓寮(なんろくりょう)」(学校から徒歩1分)と「よすが苑」(学校から自転車で20分)は男子寮、「川根本町若者交流センター『奥流(おうる)』」(学校から徒歩10分)は1階が男子、2階が女子となっている。どの寮も24時間、必ずスタッフが1人常駐しているのでセキュリティも安心。平日の昼食は、学校で弁当を注文できる。土日も朝食と夕食は提供されるが、昼食は自分で調達。本格的な調理はできないが、電子レンジなどが使用できる。スーパーとコンビニは、学校から徒歩10分圏内。寮の食事はすべて、町の小・中学校の給食を担当している栄養士が考え、地元の食材を中心にした栄養バランスのよいメニューとなっている。調理は、地元で食堂を営んでいた経験のある職員が担当しているので、美味しいと評判。浴室は、「南麓寮」と「よすが苑」には大浴場があり、「奥流」には2階(女子用)に3つ、1階(男子用)に3つあるので、順番を決めて交代で利用する。朝と夜に点呼があり、消灯時間は23時。寮内はWi-Fi完備で、消灯時間まで使用可。

<川根本町公営塾>
寄宿舎「奥流」の2階には、月額3,000円で個別指導が8回受けられる公営塾がある。川根本町在住の高校生と川根地区の中3生が利用でき、川根高生の約半数が入塾。民間のプロ講師が指導にあたり、中学からの復習、大学受験対策、資格試験対策、就職に向けた適性検査対策など、生徒のニーズに応じた指導を行っている。

学校行事

町からの補助金も出る海外体験

文化祭や体育祭などの行事は、生徒主体で運営。生徒数が少ないため1人が何役もこなし、MCや音響などの裏方と、発表者や選手として表舞台に立つことの両方を経験する。
行事の多くが、町民や町内にある企業の協力によって行われている。例えば4月には、インドに本社を持つグローバルITソフトウェア企業、Zoho Corporationの日本法人ゾーホージャパン(横浜本社)を見学。ゾーホージャパンのサテライトオフィスが川根本町にあることから、同社と町と学校が連携して様々な行事が実現している。8月には、約2週間の「インドサマーキャンプ」(希望者・ゾーホーによる面接あり)を実施。Zoho本社内で世界レベルの技術者を育成しているZoho University(社内大学)に短期留学し、プログラミングや英語、数学を学ぶ。費用は川根本町から最大8割の補助を受けることができ、自己負担2割程度で参加できる。
そのほか「しごトーク」(職業講話)、川根講演会なども3年間通して行事に組み込まれており、商工会議所の青年団や地元の人達などの協力により行われている。

部活動

カヌー部は全国大会の常連

部活動には原則全員参加。部活動の種類は多くないが、それぞれ活発に活動している。静岡県内では2校にしかないカヌー部は、全国大会の常連で上位入賞経験もある。カヌー部に入りたいから同校に入学したという生徒もいるが、ほとんどが初心者からのスタートなので経験がなくても心配ない。練習は、長島ダムにある奥大井接岨湖カヌー競技場(学校から車で30分)で行う。カヌー競技の認知度が高まるにつれて、女子部員の入部も増えてきている。
野球部は、小規模の学校にしては部員が多く、毎年30人ほどが所属。地元以外の生徒を中心に構成され、チームとして活躍できる規模を維持している。
郷土芸能部(和太鼓)は、地元の「赤石太鼓保存会」が指導にあたる。地域のイベントや老人介護施設での演奏、コンクール出場など様々な場で活躍。

進路指導

多様な進路に個別対応

大学、専門学校、就職など、進路が多岐にわたっているため、個別指導で対応。3年次には、生徒1人に対して教員1人が付いて進路指導を担当する「チューター制度」を取り入れている。最適な進路を見つけるために、学力の推移や面接の指導など、チューターがきめ細かくサポート。学習面では、朝学習でICTを活用して「スタディサプリ」に取り組むなど、個々の進捗に合わせて学力を向上させる。進路実績(2019年度)は、四年制大学への進学が約25%、専門学校・短大が約25%、就職が約50%。就職は、地元の企業だけでなく、県外の企業への就職を希望する場合もしっかりとバックアップ。鉄道ファンから人気がある大井川鐵道は、通学や遠足などで普段から関わりがあり、大井川鐵道が好きで川根留学をして、夢を叶えて就職できた生徒もいる。

その他

県内外から「川根留学制度」

地元の中学校以外から川根高校に入学する「川根留学制度」を2014年度からスタートさせ、2018年度以降は県外からの生徒も受け入れている。川根留学を希望する県外中学校出身の生徒は、「県外生徒特色選抜」に出願。この選抜では、調査書、学力検査及び面接の結果等を総合的に審査する。留学生と地元生の割合はほぼ半々で、2020年度の全校生徒内訳は、県外留学生8名、県内留学生63名、地元生61名。県外・県内を問わず、留学生たちが新しい環境に馴染むのも早く、地元生と刺激し合いながら、自然豊かな環境の中で学校生活を楽しんでいる。