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たちかわじょし

立川女子高等学校

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スクール特集(立川女子高等学校の特色のある教育 #2)

大学や専門学校とも連携! 多様な進路をサポートする「総合コース」

学校周辺にある多くの施設を活用して、様々な学びにつなげている立川女子高等学校。大学・短期大学、専門学校、就職といった多様な進路に対応する「総合コース」の魅力を紹介する。

JR立川駅から徒歩10分圏内という好立地を活かし、周辺の施設を様々な学びに活かしている立川女子高等学校。多様な進路に対応する「総合コース」の魅力について、副校長の加藤隆久先生、教頭の山崎貴紀先生、副教頭の高木志穂先生に話を聞いた。

多様な進路に対応する「総合コース」

同校の「総合コース」は、大学・短期大学、専門学校、就職といった多様な進路に対応。「入学してから進路についてじっくり考えたい」「クラブ活動や行事も思いっきり楽しみたい」という生徒向けのコースとなっている。カリキュラムでは、1年次に「作法」の授業が週1時間あるほか、家庭科を3年間で6単位履修することが大きな特徴だと、高木先生は説明する。

「作法の授業では、お辞儀の仕方、敬語の使い方、食事やお茶の作法など、日常生活の所作から日本文化まで、実際に体験しながら学びます。講師は、客室乗務員の教官を務めた経験もあるスペシャリストです。家庭科を3年間やる学校はあまりないと思いますが、本校では、家庭科はキャリア教育の役割も果たしていると考えています。苦手な子もいると思うので、最初は玉どめなどの基本から丁寧に指導。一通りできるようになったら、自分たちで選んだ生地で浴衣を作って、完成したら浴衣を着てみんなで写真を撮ります。子ども用の小物などを作る課題もあるので、いずれ役立つ場面もあると思いますし、子ども用をアレンジすれば様々な作品に応用が可能です。環境問題と絡めて服の繊維や化粧品の成分について学ぶなど、生徒たちの興味や関心に合わせて、卒業後にも活かせる知識につなげていきます」(高木先生)

家庭科の授業は、被服室、調理室、試食室といった施設を活用して、実習メインで進められる。被服室は2部屋あり、ミシンは1人1台使えるという。

「体育祭のはちまきも、本校の生徒は自分たちで作ります。得意な子が足の速い子に作ってあげたり、作ってもらった子は走って頑張るなど、うまく役割分担をして、個を尊重していくことにもつながっていきます。調理室と試食室も別になっているので、配膳からきちんと学べるのも本校の強みです。どんなに自立したといっても、経済的にお金を稼げればいいということではなく、精神的にも自立して、自分の生活や健康を守ることが大切です。家庭科で衣食住について3年間学べば、どのような生き方を選択しても将来に生きてくると思います」(山崎先生)

▶︎写真左より:山崎先生(教頭)、高木先生(副教頭)、加藤先生(副校長)

土曜日の特別講座「Sプロジェクト」が2022年度からスタート

2022年度から週5日制となり、生徒一人ひとりの興味・関心や希望進路に合わせた特別講座「Sプロジェクト」を土曜日に開講する。「Sプロジェクト」は、実践女子大学、大原簿記公務員医療福祉保育専門学校、二葉栄養専門学校、国際製菓専門学校をはじめ、同校の周辺にある多数の専門学校や大学との連携により実現。1年次から3年次まで受講することができるので、自分で選ぶことが重要だと、加藤先生は語る。

「講師が本校に来て行う講座もあれば、生徒たちが専門学校へ行って実習する講座もあります。パティシエや調理師、美容関係などは、プロフェッショナルな設備で実習し、プロが使う道具や器具に触れることができる講座です。韓国語や中国語、公務員対策試験など、語学や資格試験対策などの講座も充実しています。受講料がかかるものもあれば、無料のもの、材料費のみ負担するものもありますが、習い事などの月謝よりは、非常にリーズナブルです。学校が用意したものを仕方なくやるのではなく、自分で選んで受講することに大きな意味があります。他にやりたいことがある子などは、受講しないという選択も可能です。しかし、在校生にアンケートをとったら、受講しないという子はほとんどいなかったので、多くの生徒が興味を持っていることがわかりました。生徒の意見も聞きながら、受講しないと損だと思うような講座を増やしていきたいです」(加藤先生)

同校は、JR立川駅から徒歩10分圏内という好立地。駅周辺にある東京地方裁判所立川支部、昭和記念公園、市役所、国文学研究資料館、国立極地研究所、立川防災館、映画館など、様々な施設を校外学習や部活動の展示などに活用している。

「本校のキャンパスはそれほど広くありませんが、周辺の施設を有効に活用しています。多くの専門学校や大学が近くにあるという恵まれた立地だからこそ、Sプロジェクトも実現できました。Sプロジェクトは2022年度からスタートしますが、今用意しているものが完成形ではなく、講座もどんどん追加して、よりよいプロジェクトにしていきます」(山崎先生)

2022年度から新設される芸術の選択科目「モットー・アート」

「総合コース」では、芸術の選択科目として、「もっとアートを!」をコンセプトにした「モットー・アート」という科目を3年次に新設。美術・音楽・書道・工芸の枠を越えた表現を目指し、創作活動や卒業制作を行う。

「国内でも屈指のアートスポットとして知られる『ファーレ立川アート』をはじめ、文化芸術に触れる機会の多い立川という街で、地域とコラボレーションをしながら表現力や創造力を向上させていきます。モットー・アートの授業では、美術・音楽・書道・工芸から、自分が表現したい分野の作品を制作。作品を作るだけでなく、なぜそれを作ったかについてプレゼンする機会を設け、評価を受ける中でも、得るものがたくさんあると思います。さらに、モットー・アートに取り組む経験は、総合型選抜などの入試にも活かされるでしょう」(山崎先生)

作品づくりを通して自分を表現し、1つの形にしていくことは、成功体験や自信にもつながると、山崎先生は語る。

「本校に入学する生徒は、中学校では勉強に自信を持てなかった子も少なくありません。中学校では経験しなかったことで自信をつけて卒業し、それぞれの分野で活躍してほしいと考えています。これまで多くの卒業生を社会に送り出していますが、それぞれの場で輝いている姿を見せてくれています。入学前に、自分のやりたいことや学びたいことがなくても大丈夫です。部活動やSプロジェクト、家庭科の授業、モットー・アートなど、学校生活を送る中できっと見つかります。大学や短大への指定校推薦も多いですし、専門学校や就職のサポートも万全です。歴史のある学校なので、大卒でもなかなか採用されない地元の企業から直接求人が来ています。大学や短大、専門学校を目指す生徒も、就職したいと考えている生徒も同じ教室で学び、いろいろな考えや進路を尊重し合える環境なので、多様化の時代にも合ったコースです」(山崎先生)

部活動では初心者も活躍!

同校では、約7割の生徒が部活動に参加。高校生初のヒマラヤ登頂を達成した山岳部をはじめ、運動部・文化部あわせて36の部が元気に活動している。演劇部はここ数年で力をつけて、今年8月に出場した全国大会では優秀賞(2位)に輝いた。同校では、初心者としてスタートしても、都大会や全国大会を目指して頑張れる部活動が多いという。

「ダンス部も全国大会出場経験がありますが、スポーツ推薦などはないので、強い子を集めて強くしているわけではありません。中学校でやっていた子も初心者も、一緒に全国大会などを目指して頑張っています。珍しい部活としてメディアの取材なども受けているのが、そば打ち部です。そば粉の配合から学び、顧問の先生や上級生から手ほどきを受けながら4回ぐらいで一通り形になります。道具や衣装も本格的で、文化祭で販売するとすぐに売り切れるほどの人気。私も食べたことがありますが、とても美味しいですよ」(高木先生)

部活動以外にも、中学生向けの学校説明会をサポートするボランティアグループ「TGSA」として活躍している生徒もいる。

「中学生を相手に案内や説明をするのは、緊張すると思います。普段はおとなしい子が立候補して、校内見学ツアーの案内役で頑張っている姿を見ることもあります。中学校では、1歩を踏み出す勇気がでなかったり、他の子が先に立候補していたりして、なかなか表舞台に立つ機会がなかった子もいるでしょう。本校では、気兼ねなく挑戦できる雰囲気があるのだと思います。自分が受験生のときにTGSAの生徒に案内をしてもらい、優しく接してもらえたことが嬉しかったから、自分もやりたいという子もいるでしょう。何より、自分が通っている学校の魅力を伝えたいと思ってくれることが嬉しいです」(高木先生)

同校の制服は、胸元のエンブレムがポイントのブレザーとチェックのスカート。ブラウスは白・水色・ピンクの3種類、リボンはピンクとブルーがあるほか、カーディガン、セーター、ベストなどのアイテムがたくさんあり、冬服の着用アレンジは42パターンもある。毎日どの組み合わせで着ようか迷うほどアレンジする楽しみがあることも、女子高生にとっては大きな魅力である。

スモールステップで基礎学力の向上をサポート

「総合コース」は、文系・理系に関わらず満遍なく学び、社会に出てから必要になる学力を身につけて卒業できるようにサポート。金曜日には週末課題を出して月曜日に小テストを行うなど、小さな積み重ねを基礎学力向上につなげていく。中学校で勉強が苦手だったり、自分に自信がない状態で入学してくる子もいる。そういった子たちにも、自信を持って卒業してもらいたいと、高木先生は語る。

「基礎学力の向上というと簡単そうですが、実際は簡単ではありません。何度も繰り返し、1つずつできるようにして、スモールステップで積み重ねていきます。確認のために、スタディサプリの到達度テストなども活用しています。到達度テストに準拠したチェックテストを実施して、今年度から90点から100点を取った上位を張り出すようにしたら、それを楽しみに取り組む生徒がでてきたことが新たな発見でした。今までスポットライトが当たる機会がなかった子たちが上位になって喜びを感じ、さらに頑張ろうという気持ちにつながったのだと思います。今後も、このような取り組みを取り入れていきたいです」(高木先生)

同校の生徒たちは、お互いを尊重し合える環境の中で3年間過ごし、大きく伸びて卒業していくという。

「本校の生徒たちは、他の子の得意なことを認め、できなかったことを責めないのがよいところです。できなかったら、違うところで頑張ればいいと思ってもらえる環境が、生徒たちを伸ばしています。また、中学校ではできる子に任せていたことも、自分たちでやらなければなりません。リーダーを務めていくうちに、できなかったことができるようになるなど、自然と伸びていける環境が整っています」(高木先生)

卒業後にも訪れたくなる家庭的な雰囲気

進路指導では、一人ひとりに合った進路を応援。自分で選択することが大切であり、なぜそれを選択したか、きちんと答えられるように、「なんで?」「どうして?」と何度も問いかけて導いていきたいと、高木先生は語る。

「3年生になると進路について悩んだりして、廊下で元気のなさそうな表情をしている子を見かけることがあります。そんなときは担任でなくても、教員は『どうしたの?』と声をかけます。すぐに答えが出なくても、寄り添って一緒に考えてあげることが大切です」(髙木先生)

家庭的な雰囲気の同校では、教員と生徒が廊下で立ち話をすることも多く、その光景は立川女子の名物となっているという。

「卒業生がふらっと遊びにくることも多く、ちゃんと手土産を持ってくる姿などを見ると成長したなと感じます。最近の卒業生だけでなく、何十年も経ってから遊びに来る卒業生もいます。卒業しても、戻ってきたいと思ってもらえる学校であることが、非常に嬉しいです。本校では、男子がいるとやりにくいことや、上のレベルの子がいると気を使ってできないことなども、チャレンジしやすいという声をよく聞きます。何事にも挑戦しやすい環境ですし、たとえ失敗しても、教員も生徒も温かく見守ります。そのような環境の中で、どれだけ伸びるか実感してほしいです」(山崎先生)

<取材を終えて>
立川駅や学校周辺にある施設を活用して、様々な学びや体験につなげていることが他校にはない大きな魅力だと感じた。特に、多数の専門学校や大学と連携した「Sプロジェクト」は、同校の歴史と立地を最大限に活かした取り組みである。例えば、パティシエになりたいと思っていた生徒が、パティシエの講座を受講してみたら、作る側ではなく撮影するカメラマンになりたかったのだと気づくこともあるかもしれない。そういった経験が高校生のうちにできる「Sプロジェクト」に、今後も注目していきたい。

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